三千盛の酒粕がスキンケアに 菊正宗・SHIRO・福光屋に続く「酒蔵コスメ」
KAMPAI編集部
岐阜県多治見市の酒蔵・三千盛の酒粕と米ぬかを使ったスキンケアブランド「HADAYOI(はだよい)」が発売された。化粧品メーカーのDMA(名古屋市)と三千盛、大垣共立銀行の共同プロジェクトで、日本酒の製造副産物を化粧品原料にアップサイクルする取り組みだ。
商品は化粧水(150mL・2,980円)と芳醇クリーム(30g・3,980円)の2種類。三千盛の酒粕に北海道産プラセンタと温泉水を組み合わせている。アルコールフリー。
酒蔵とコスメ、実は長い歴史がある
日本酒の蔵元がスキンケアに進出する動きは、もう珍しくない。
菊正宗(神戸)の「日本酒の化粧水」は、純米吟醸酒由来のコメ発酵液を保湿成分に使い、500mL・990円という価格で累計500万本を突破した。コスメ批評誌で殿堂入りもしている。
SHIROの「酒かす化粧水」は、北海道・栗山町の小林酒造(創業140年超)の純米酒粕を水に溶かして作っている。成分は水、BG、酒粕など8つだけというシンプルな処方で、10年以上ベストセラーを続けている。120mL・4,054円。
金沢の福光屋は、杜氏の手が冬でもなめらかなことに着目し、米の発酵技術を化粧品に応用した。「アミノリセ」「すっぴんイズム」など複数のラインを持ち、「食べられる成分だけで作る」を掲げている。
白鶴(神戸)も「うるおい日本酒コスメ」シリーズを展開している。
HADAYOIの立ち位置
これらの先行ブランドと比べると、HADAYOIの特徴は「アップサイクル」を前面に出している点だ。食の欧米化で漬物や料理に使われる酒粕の消費が減り、蔵に余る副産物を化粧品原料として活用する。蔵にとっては廃棄コストの削減、消費者にとっては蔵との新しい接点になる。
酒蔵が自社で化粧品を作るケース(菊正宗、福光屋、白鶴)とは違い、HADAYOIは外部の化粧品メーカーが酒蔵の副産物を仕入れるモデルだ。三千盛のような小規模蔵にとっては、自社でコスメ事業を立ち上げるよりハードルが低い。