KAMPAI
brewery-story

創業4年で来訪者200倍 秋田・男鹿の「稲とアガベ」がICCサミットで入賞

KAMPAI編集部

創業4年で来訪者200倍 秋田・男鹿の「稲とアガベ」がICCサミットで入賞

秋田県男鹿市の酒蔵「稲とアガベ」が、日本最大級のビジネスカンファレンス「ICCサミット FUKUOKA 2026」のカタパルト・グランプリで第2位に入賞した。稲とアガベがPR TIMESで発表した。

ICCサミットは「ともに学び、ともに産業を創る」を掲げるビジネスカンファレンスで、年2回、福岡と京都で開催されている。毎回500名以上が登壇し、1,200名以上の経営者やリーダーが参加する。スタートアップやテック企業の登壇が多く、IT・SaaS系の経営者にはおなじみのイベントだ。カタパルト・グランプリはその最終日に行われるメインステージで、業界を問わず成長企業がプレゼンテーションで競い合う。酒蔵がこの舞台で評価されるのは珍しい。

「クラフトサケ」という新ジャンル

稲とアガベは2021年に岡住修兵さんが創業した。手がけているのは「クラフトサケ」と呼ばれるジャンルだ。

日本酒は酒税法上、米と米麹と水だけで造る必要がある。クラフトサケはこの枠にとらわれず、果物やハーブなどの副原料を使って醸造する。免許区分としては「その他の醸造酒」にあたる。稲とアガベがこのジャンルを切り開いたことで、全国で30件以上の新規参入が生まれたという。

人口2万5千人の町に年間5万人

男鹿市の人口は約2万5千人。その町に、年間5万人以上が訪れるようになった。創業時と比べて200倍だ。

稲とアガベは酒造りだけにとどまらない。レストラン、ホテル、蒸留所、食品加工所、ラーメン店、スナックと、創業4年で9つの拠点を立ち上げている。岡住さんはプレゼンテーションで「まちづくり屋ではなく、醸造家として」登壇したと話しているが、結果的に町の風景を変えつつある。

輸出10か国、規制改革にも

海外にも広がっている。輸出先は10か国以上。ミシュランの星付きレストランや「World's Best Bars」掲載のバーにも採用されている。

規制面での動きもある。稲とアガベは「日本酒特区」の新設に向けた取り組みを進めており、内閣府の規制緩和ワーキンググループの発足にも寄与したという。現行の酒税法では、新規に日本酒の製造免許を取得するのは極めて難しい。特区が実現すれば、クラフトサケの造り手が日本酒そのものに挑戦する道が開ける。

創業4年の酒蔵が、酒造り、まちづくり、規制改革と3つの領域で同時に動いている。プレゼンのタイトルは「酒づくりは、2000年先の文化を創る挑戦」だった。