IWC広島、プログラムの全貌が見えてきた
KAMPAI編集部
5月の広島が、まるごと日本酒に染まる。IWC(International Wine Challenge)のSAKE部門が東広島で開催されることは以前お伝えしたが、公式サイトで併催行事を含むプログラムの全体像が公開された。審査だけで終わらない、1週間超の「日本酒ウィーク」になりそうだ。
松尾神社から始まる1週間
スケジュールを整理するとこうなる。
5月17日(日)、歓迎レセプション。会場は松尾神社と賀茂鶴酒造の敷地内だ。酒の神様を祀る神社と、西条を代表する蔵元で開幕を迎えるという演出がいい。
5月18日(月)から21日(木)までの4日間が審査本番。会場は東広島芸術文化ホールくらら。世界10数か国から集まった審査員が、1,000銘柄超をブラインドで審査する。
21日には審査員向けの広島県内視察ツアーも組まれている。日本酒関連施設や観光地を巡るプログラムだ。
5月22日(金)、シェラトングランドホテル広島で受賞発表会。ゴールド、トロフィーなど各部門の受賞酒がここで明らかになる。最高賞のChampion Sakeは9月8日にロンドンで発表される。
そして5月下旬以降に、一般向けの試飲イベントが予定されている。
11部門、今年から「フレーバー酒」が加わった
審査は11の部門に分かれている。純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒、普通酒、スパークリング、古酒、熟成酒。ここまでは従来どおりだ。
2026年から新たに加わったのが「フレーバーサケ部門」。ゆず酒やにごり系のリキュールなど、フレーバーを加えた日本酒ベースのお酒が対象になるとみられる。日本酒の裾野が広がっていることの反映だろう。
審査は4〜5名のグループで行われ、4日間かけて段階的に絞り込む。1〜2日目で適格性を判定し、2日目後半から3日目でメダルの色を決め、最終日にトロフィーを選ぶ。受賞は4段階で、Gold、Silver、Bronze、Commended(大会推奨酒)。Goldの中から選ばれるTrophyのさらに上に、Champion Sakeがある。
広島の蔵、実はIWCに強い
地元開催だけに、広島県内の蔵の受賞歴も気になるところだ。公式サイトに過去の受賞一覧が掲載されている。
目を引くのは呉市の榎酒造「華鳩 貴醸酒8年貯蔵」だ。2008年から2025年まで、ほぼ毎年Goldを受賞している。しかもそのうちTrophyが10回以上。貴醸酒(お酒でお酒を仕込む製法)の古酒という、かなりニッチなカテゴリで圧倒的な存在感を見せている。
同じく呉市の相原酒造「雨後の月」は、2025年に「十三夜」が純米トロフィーと「グレートバリューサケ」(世界6銘柄のみの特別賞)をダブル受賞した。蔵元の相原準一郎さんは「全品を大吟醸造りで醸す。全品を冷蔵保存する。最上の原材料を使う」を信条にしているという。
賀茂鶴酒造のスパークリング清酒「光壽」が2025年にTrophyを獲得しているのも、西条の蔵らしい存在感がある。
広島の蔵が強いのは偶然ではない。軟水醸造法という広島発の技法があり、やわらかな水で繊細な酒を醸す伝統がある。吟醸酒の発祥地でもある。IWCのSAKE部門をこの土地で開催する意味が、受賞リストを見るとよくわかる。
一般向け試飲イベントは5月下旬以降
一般の人が参加できるのは、5月下旬以降に予定されている試飲イベントだ。IWC出品酒と広島県内の蔵のお酒が飲めるという。具体的な日時・会場・チケット情報はまだ発表されていない。公式サイトで告知されるとのことなので、気になる人はチェックしておくといい。
出品のエントリー締切は4月17日。2025年は387社1,476銘柄がエントリーした。今年はどんなお酒が集まるか。5月の広島が楽しみだ。