ポルトガル大使館で、マデイラワインと日本酒古酒が出会った
KAMPAI編集部
3月24日、東京のポルトガル大使館で「マデイラワインと熟成日本酒 セミナー&試飲会」が開催された。日本酒造組合中央会が主催し、マデイラワイン約10種と日本酒古酒約10種が並んだ。
マデイラワインは、ポルトガル領マデイラ島で造られる酒精強化ワインだ。16世紀の大航海時代、赤道を越える航海の途中で船倉のワインが熱と揺れにさらされ、独特の風味が生まれた。それが原点だという。通常のワインでは劣化の要因となる「熱」と「酸化」を、あえて製法に取り込んでいる。100年以上の熟成にも耐える。
一方の日本酒古酒は、近年じわじわと再評価が進んでいる。熟成によって色は琥珀色に変わり、カラメルや蜂蜜、スパイスのような香りが出てくる。造り方はまったく違うのに、グラスに注ぐと似た色をしている。そこが面白い。
大航海時代の偶然と、蔵の中の時間
セミナーでは、マデイラジャパン代表の稗田千尋さんがマデイラワインの製法と歴史を解説した。会場には1910年醸造のマデイラワインも展示されていた。100年以上前のお酒が、まだ飲める状態で残っている。
日本酒古酒については、日本の酒情報館館長の今田周三さんが「熟成日本酒について」と題して講演した。一ノ蔵の鈴木整さんも蔵元の立場から登壇している。
ポルトガルは、日本が最初に交易を始めたヨーロッパの国だ。鉄砲やカステラが伝わった16世紀から数えれば、500年近い付き合いになる。Gilberto Jeronimo駐日ポルトガル大使は開会の挨拶で、両国の酒文化への自負を語った。
琥珀色のグラスが並ぶ試飲会
セミナーのあとは、大使公邸のシェフが手がけたポルトガル伝統料理とともに試飲交流会が行われた。マデイラワインと日本酒古酒を飲み比べながら、ペアリングの可能性を探る場だ。
熟成酒は、日本酒の世界ではまだ主流とは言いがたい。だが「時間をかけて変化するお酒」という共通項で、マデイラワインと並べてみると、日本酒古酒の立ち位置がすこし違って見えてくる。こういう出会いの場が増えると、古酒の飲まれ方も変わっていきそうだ。