日本のお酒、海外でどれだけ飲まれてる? 2025年の輸出データまとめ
KAMPAI編集部
日本産酒類の輸出額が、2025年に過去最高を更新した。国税庁が財務省の貿易統計をもとにまとめたデータによると、年間の輸出金額は1,495億円。前年から11.8%の伸びだ。
2022年に1,392億円でピークを迎えたあと、2023〜2024年はやや足踏みしていたが、ここにきて再び右肩上がりに。しかも、2024年8月から17か月連続で前年同月を上回っており、一過性のブームではない地力がついてきたように見える。
いちばん売れているのは、実はウイスキー
「日本のお酒の輸出」と聞くと日本酒を思い浮かべる人が多いかもしれないが、金額ベースで見ると2025年のトップはウイスキーで490億円。日本酒(清酒)は459億円で僅差の2位だ。
とはいえ、日本酒も10年前は156億円だったことを考えると、約3倍に成長している。派手な伸び率こそないものの、毎年着実に積み上げている優等生タイプだ。
意外な伸びを見せたのがビール。263億円で前年比+24.8%と、全品目で最大の成長率を記録した。クラフトビールの海外人気が関係していそうだ。ジン・ウォッカも+21.4%と好調で、「日本のお酒=日本酒」という時代は終わりつつある。
| 品目 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| ウイスキー | 490億円 | +12.2% |
| 日本酒(清酒) | 459億円 | +5.6% |
| ビール | 263億円 | +24.8% |
| リキュール | 145億円 | +2.0% |
| ジン・ウォッカ | 48億円 | +21.4% |
| 焼酎 | 20億円 | +13.9% |
| 合計 | 1,495億円 | +11.8% |
どこの国で飲まれている?
2025年に最も多く日本のお酒を買った国は中国(292億円)。前年はマイナス23.9%と大きく落ち込んでいたが、1年で持ち直した。2位のアメリカ(277億円)とはほぼ拮抗している。
シンガポールは100億円に迫る勢いだ(+28.9%)。2024年の78億円から1年で2割以上伸びている。東南アジアにおける日本酒・ウイスキー人気がデータにもはっきり表れている。
一方、かつてアジアの日本酒ハブだった香港は93億円(▲9.9%)と減少傾向。中国本土への直接輸出が増えたぶん、香港経由の需要が減っている可能性がある。
オーストラリア(+34.9%)やフランス(+31.4%)など、これまで目立たなかった市場も急成長している。日本酒の「地図」は少しずつ広がっている。
| 国・地域 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| 中国 | 292億円 | +19.4% |
| アメリカ | 277億円 | +4.7% |
| 韓国 | 194億円 | +14.4% |
| 台湾 | 174億円 | +9.2% |
| シンガポール | 100億円 | +28.9% |
| 香港 | 93億円 | ▲9.9% |
| オーストラリア | 59億円 | +34.9% |
| フランス | 49億円 | +31.4% |
| カナダ | 29億円 | +22.6% |
2026年、気になるのは「関税」と「ユネスコ効果」
この勢いが続くかどうか。ポイントはふたつある。
ひとつは関税。輸出先の上位2か国(中国・アメリカ)だけで全体の4割近くを占めるため、通商政策の変化がダイレクトに響く。アメリカの関税がどう動くかは気になるところだ。
もうひとつは、2024年12月にユネスコ無形文化遺産に登録された「伝統的酒造り」の効果。「和食」が2013年に登録されたあと日本食レストランが世界で急増したように、日本酒の認知度にどこまで追い風になるか。2026年のデータに答えが出てくるはずだ。
日本のお酒が世界でどう受け入れられているか。このデータ、定期的に追いかけていきたい。