27歳が独立して立ち上げた日本酒、IWC初挑戦で金賞
2026年5月18日に広島で審査が行われた「IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2026」のSAKE部門で、ブランド創立1年の新興日本酒「HENGE(ヘンゲ)」が金賞を獲得した。受賞したのは『HENGE CLEAR 無濾過生原酒』。初エントリーでの快挙だ。
HENGEを運営する株式会社Cypher代表の糊谷(のりや)さんは27歳。新卒で入社した丸紅を25歳で退職し、ゼロから日本酒の世界へ飛び込んだ元商社マンである。「日本酒は世界に誇る文化である」という確信を形にすべく独立し、3年間活動してきたという。
"いにしえの製法"で醸す720ml・14,800円
『HENGE CLEAR 無濾過生原酒』は2025年11月に発売された最新作。原料米は兵庫県産の山田錦100%、アルコール分は13%、製造は新潟県の蔵に委託している。価格は720mlで14,800円(税込)と、ハイエンド帯に振り切った設定だ。
特徴は奈良時代に行われていた「一段仕込み」を軸にしていること。通常の三段仕込みではなく、米と麹と水を一度に仕込む古い手法を現代の文脈で再構築している。公式サイトでの抽選販売を続けており、毎月完売しているという。
審査員のテイスティングコメントは華やかだ。「フレッシュなチェリーやブラックカラント、金柑、ルバーブ、洋梨、さらにはバナナやプルーンの華やかな香りが立ちのぼる。クリーミーなマスカットやグーズベリーの風味が豊かに広がり、爽やかで独創的な味わいが奥行きを感じさせる」(株式会社Cypher訳)。
IWC 2026は過去最大の1,738銘柄
今年で20周年を迎えたIWCのSAKE部門は、過去最大となる1,738銘柄がエントリーした。普通酒、本醸造、純米、純米吟醸、純米大吟醸、吟醸、大吟醸、スパークリング、古酒、熟成酒、フレーバー日本酒の11カテゴリーで審査が行われ、メダル受賞酒は5月22日に発表された。
初回販売分が3時間で完売したというHENGEは、ミシュラン星付きレストランや5つ星ホテルにも採用されているという。商社を辞めて立ち上げたブランドが、世界基準の審査会でどこまで評価を積み上げていくか、続報を待ちたい。