千葉県君津市の宮崎酒造店が手がける「純米大吟醸 サーモン結び」が、フランス・パリで開催された日本酒コンクール『Kura Master 2026』の純米大吟醸酒(36-50%)部門で、最高ランクのプラチナ賞を初受賞した。

4月27日にシャンゼリゼ大通りのレストラン「パヴィヨン・ルドワイヤン」で審査が行われ、5月11日に各賞が発表された。「Kura Master」は2017年に創設された、フランス人専門家によって選ばれる日本酒コンクールだ。開催10周年となる今回は過去最大規模となり、出品数は1,252点にのぼった。

93点以上だけがたどり着けるプラチナ賞

審査員には、フランス国家最優秀職人章(MOF)保持者や、五つ星ホテルのトップソムリエ、ミシュラン星付きレストランの関係者、ワインジャーナリストといった、欧州の食文化を担う専門家たちが名を連ねる。

審査はワインと同じ100点満点のブラインドテイスティング方式で行われ、93点以上を獲得した銘柄だけがプラチナ賞に選ばれる。単に味の完成度だけではなく、フランスの食卓やワイン文化との相性という、現地市場の目線が問われるのがこのコンクールの特徴になっている。

「サーモン専用酒」という発想

受賞した「サーモン結び」は、その名のとおり脂の乗ったサーモンに合わせることを意識してつくられた一本だ。豊かな旨味と、魚介料理を引き立てる爽やかな酸味のバランスを狙ったという。サーモンのマリネやカルパッチョなど、洋の要素を取り入れた魚介料理と合わせる前提で設計されている。

面白いのは、酒米ではなく主食用米の「粒すけ」を使っているところだ。しかも自社農地で栽培・精米まで行っている。「食事があってこそのお酒」という考え方が、原料選びの段階から徹底されている。

内容量は300mlと720mlの2サイズで、価格はそれぞれ1,500円と3,300円(税込・送料別)。6月1日頃から順次発送される予定だ。

創業160年、2023年の「第二創業」

宮崎酒造店は千葉県君津市で創業160年を迎える老舗だが、2023年秋に株式会社穴太ホールディングスの傘下に入り、世代交代とあわせて「第二創業」をうたうフェーズに入っている。

仕込み水には「平成の名水百選」に選ばれた久留里の水を使い、千葉と北海道の自社農場で米づくりから手がける。伝統の地酒「峯の精」を守りつつ、モダンで低アルコールな日本酒も並行して開発し、海外展示会にも積極的に出ているという。

戸波昇代表は「料理と共鳴し、国境を越えて愛される品質」が世界基準で認められたとして、今後は輸出と海外展開をさらに加速させていく方針を示している。サーモン専用酒という切り口がパリでどこまで広がるか、続報を待ちたい。