神奈川の酒蔵の地酒を1合缶に詰めたオリジナル商品の第3弾が、2026年7月1日(水)の10時から、JRE MALL内のECサイト「伊湘箱(いしょうばこ)」で発売される。手がけるのは、シァルやラスカといった駅ビルを運営する株式会社JR横浜湘南シティクリエイトだ。茅ヶ崎のベンチャー企業Agnavi(アグナビ)、そして神奈川の酒蔵と組んだシリーズで、今回が3作目になる。
第3弾に選ばれたのは、井上酒造(大井町)、大矢孝酒造(愛川町)、川西屋酒造店(山北町)の3蔵だ。1缶あたり1合(180ml)の缶が3本そろって、価格は2,400円(税込)になる。
駅ビルが、地元の酒を缶にして売る
このシリーズの面白さは、その座組みにある。ふだん駅ビルを運営している会社が、地元・神奈川の酒蔵と直接組んで、オリジナルラベルの日本酒缶を企画している。Agnaviは全国200種類以上の地酒を扱い、歴史ある酒蔵の存続を支えることを掲げる会社で、その両者が手を組んだかたちだ。
缶という容器も効いている。1合という量は、ひとりで飲み切るのにちょうどいい。瓶のように開けたら飲み切らなければというプレッシャーもない。飲み比べセットとの相性がよく、3蔵を少しずつ試せる構成になっている。
ラベルのデザインを手がけるのは、茅ヶ崎を拠点に活動するイラストレーターのRYU AMBE(リュウ・アンベ)さんだ。ポップでキュート、それでいてどこかシニカルな作風で知られ、2025年には茅ヶ崎市美術館で個展「RyuAmbe 10」を開いている。地元のつくり手が地元の酒を彩る、という点でも筋が通っている。
シリーズはこれまで、第1弾が盛升(黄金井酒造)、いづみ橋(泉橋酒造)、湘南(熊澤酒造)の3本、第2弾が白笹鼓(金井酒造店)、菊勇ももくらうど(吉川醸造)、盛升(黄金井酒造)の3本だった。第1弾はすでに販売を終え、第2弾は引き続き伊湘箱で買える。神奈川の蔵を少しずつ巡るように、ラインアップが入れ替わっていく仕組みになっている。
第3弾は、老舗3蔵がそろう
今回の3蔵は、いずれも長い歴史を持つ。
井上酒造は1789年の創業で、丹沢の伏流水を仕込み水に使う。第3弾の一本は山田錦を100%使った純米吟醸酒(精米した米と米麹だけでていねいに仕込んだ、香り高いタイプの日本酒)で、柑橘系の爽やかな香りと淡麗な味わいが持ち味だという。
大矢孝酒造は1830年の創業になる。こちらはやや甘口で、優しく膨らむ旨みと奥行きのある味わいが特徴だ。食事と一緒に楽しむ食中酒として向くタイプで、料理の邪魔をしない一本に仕上げているという。
川西屋酒造店は1897年の創業で、美山錦を100%使った純米吟醸酒を出す。スッキリと呑める比較的軽やかなタイプで、常温か冷やして飲むのがおすすめとされている。
創業1789年といえば、フランス革命が起きた年だ。そのころから神奈川の地で酒を造り続けてきた蔵が、令和の駅ビルでポップなラベルの缶になって並ぶ。神奈川の日本酒は知名度こそ派手ではないが、こうして並べてみると、足元の蔵の層の厚さが見えてくる。
買う前に、飲める
発売に先がけて、実際に飲めるイベントも用意されている。「KANAGAWA ローカル酒FESTIVAL 2026」が、2026年6月27日(土)にラスカ茅ヶ崎6階ホールで行われる。1部が11時から13時、2部が14時から16時の二部制だ。
参加するのは、神奈川酒造組合に所属する12蔵になる。チケットにはお酒5杯程度に使えるドリンクチケット10枚に加えて、ペアリングフード、オリジナルおちょこ、ミネラルウォーターがついて、前売り4,500円(税込)、当日5,000円(税込)という設定だ。缶で買う前に、その場でつくり手の酒を試せる場になっている。
第3弾の缶は7月1日からの販売だが、その少し前に飲める機会があるというのは、神奈川の地酒を入り口から丁寧に届けようとしている表れに見える。
販売概要
- 商品: 第3弾オリジナルラベル日本酒缶 3本セット
- 蔵元: 井上酒造(大井町)/大矢孝酒造(愛川町)/川西屋酒造店(山北町)
- 容量: 各1缶1合(180ml)
- 価格: 2,400円(税込)
- 発売日時: 2026年7月1日(水)10時〜
- 販売先: JRE MALL内「伊湘箱(いしょうばこ)」
- デザイン: RYU AMBE
- 企画: 株式会社JR横浜湘南シティクリエイト/株式会社Agnavi
- 先行イベント: KANAGAWA ローカル酒FESTIVAL 2026(6月27日・ラスカ茅ヶ崎6階ホール、神奈川酒造組合12蔵が参加)
第4弾、第5弾と続けば、神奈川の蔵をぐるりと一周できる日が来るかもしれない。次はどの蔵が缶になるのか、また追いかけてみたい。